「習得」と「修得」はどちらも何かを学び、それを身につけるという意味で使われますが、用法には微妙な違いがあります。
ここでは、この二つの言葉の違いと使い方を分かりやすく解説します。
「習得」の意味と使い方
「習得」は一般的に、学問や技術を他人から指導を受けながら学ぶことを指します。
これには、繰り返し練習を伴い、例えば自動車学校で運転技術を身につける場合や、幼少期に学んだスキルが長く記憶に残ることなどが含まれます。
使用例
- 新しいソフトウェアを使ったプロジェクト管理技術を習得するために、社内研修に参加した。
- ピアノを習得するために、週に二回のレッスンを受けている。
「修得」の意味と使い方
一方で「修得」は学問や技術を自己学習する場合にも使われ、特に学業や専門的な知識を独学で身につける際に用いられます。
例えば、語学を独力でマスターしたり、薬剤師資格のために必要な科目を学んだりする場合などです。
使用例
- 独学でウェブ開発のスキルを修得し、自分のポートフォリオサイトを立ち上げた。
- 大学での研究を通じて、高度な統計分析を修得した。
学ぶ方法と対象との関係
「習得」と「修得」の区別は、学ぶ方法と学ぶ対象に基づいています。
「習得」は、指導を受けながら行う学びを、特に技術や実技に関連した場合に使います。
「修得」は、自学も含めた学問的な学びに適しています。
スキルの「しゅうとく」は、どちらを使う?
職業やスキルに関しては、「習得」が一般的に適しています。
これは、ほとんどの職業技能が、他人からの指導を必要とするからです。
たとえ独学の要素があっても、完全に孤立して技能を学ぶことは少ないため、「習得」が推奨されます。
これらの違いを理解しておくと、どの文脈でどの語を使うべきかが明確になります。
例えば、あなたが新しい職種に就いた際には、通常は上司や先輩から仕事の流れや必要なスキルを学び、「習得」という表現が適切です。
また、特定の専門知識や技能を自分で学んで身につけたいと考えている場合、例として、自分でプログラミングを学ぶ場合は、「修得」と表現することが適しています。
これらの違いを踏まえて、職場でのスキル習得は一般に「習得」と表現されることが多いですが、個々の状況や学び方によって「修得」を使うこともあります。
どちらの言葉も、新たな知識や技能を効果的に身に付けるためのプロセスを表しているため、文脈に応じて適切に使い分けることが重要です。
まとめ
総じて、学ぶ対象がより実践的で直接的な指導を伴う場合は「習得」、自己指導により知識や学問を深める場合は「修得」という用語が使われることが一般的です。
これを意識することで、どちらの言葉を使用するべきかを自然と判断できるようになるでしょう。